命を守る防災対策に向けて

先の台風18号でお亡くなりになられた方にご冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。
日野川流域では、地形に起因する災害が多発しました。上流域では土砂崩れが多発し、中流域では洪水で田畑が浸水したり護岸の一部崩落、下流域では都市型洪水に見舞われ下水道にも影響が出ました。一日も早い復旧を願います。
さて、この度の豪雨で地盤が緩んでいるため、安全点検と備えが必要です。具体的には、
①急傾斜地対策がされていない箇所や損壊した土手の地盤の点検と強化

②天井川になっている所への緊急措置のための資材等を備蓄する設備の設置

③天井川の合流付近に排水ポンプの設置

④地先の安全度マップなどを活かして避難方法をあらかじめ知っておく

⑤日野川改修の竜王町までの早期実現

滋賀県は、議会に「滋賀県流域治水条例(案)」を提案しています。条例案は、人命を守ることを第一義として自助、共助、公助を基本とした水害に強い地域づくりを目指すとして、川の中の対策と川の外の対策を組み合わせた「滋賀の流域治水」について説明しています。

今、条例案に関して様々な議論がされています。議論で重要なことは、災害から命を守るために適切な情報を提供し、正しく判断して、安全に避難するとともに、条例化によりどのように安全対策が進むのかをイメージできるよう示さなければなりません。流域治水に関する安全対策の具体的な計画は、条例に基づいて地域と一緒になって進めていくことになるのでしょう。県条例ですから、流域治水に関しては、人命を守ることを中心にして議論を進めていきたいものです。

日野川改修が近江八幡の仁保橋上流まで進んできましたが、竜王町の天井川まで来るには、このペースで行くと数十年かかるとも言われています。特に、中流域から下流域にかけては天井川であり、竜王町地先は、日野川が蛇行しており、天井川の祖父川と合流していることから、危険な箇所が多いと指摘されています。そもそも、日野川は大きな1級河川であり、法により国所有の川を県が管理する仕組みになっていますが、本来、所有者の国が、危険箇所に対する予防対策をしっかり講じる責務があると思うのですが。