近江牛肉は滋賀畜産の芸術品~宝牧場、田原会長に経営と循環の哲学を学ぶ~

高島市朽木で牧場、食品加工、レストラン、有機農場を営まれている「宝牧場」を訪問しました。田原会長が一代で築かれた牧場には、1700~1800頭もの牛と数十頭の豚がいます。耕耘機などの機械化により農家の牛離れが進んだ頃、いち早く牛肉の需要を見込んで畜産事業を手がけられました。今では、県内一の代表的な近江牛の畜産企業に成長されました。

施設内の見学と田原会長のお話をお聞きし、会長の事業への信念と夢に感動しました。牛や豚の屎尿は堆肥として有機肥料に変わりますが、無害化に成功。その肥料を田畑に施肥して有機米を栽培。まだ商品化できない乳牛の初期の乳を豚に与えることで、柔らかくコクのあるミルク豚を飼育。幼牛の餌やりや搾乳は、コンピュータで自動管理。レストラン経営やオリジナル乳製品などへの事業展開で、まさに6次産業化を実現しておられます。

今後は、環境こだわりとブランド化をさらに進めて、、海外販売に夢を膨らませておられました。一方、レストランは地の利の良いまちに出すのではなく、宝牧場内にこだわっての経営です。6次産業化による地域活性化も大きな役割を担っておられることに感銘を受けました。

TPPへの参加交渉を決意した日本。農畜産業は最もダメージを受ける分野だと危惧されています。そんな中、安心・安全と品質の良さが、一層これからの農業・畜産業に求められています。宝牧場は、信念を持って夢を実現し、先を見通した事業展開をされています。宝牧場と田原会長からは、学ぶことが多すぎます。以下、肉の芸術品とも言える宝牧場の近江牛と牧場内の画像をご覧ください。