この国のカタチを決める道州制~議論は正しい情報から~

道州制の議論が出てきました。私たちの暮らしや自治の仕組みが大きく変わることから、国民的議論が必要です。制度設計には多様な意見を取り上げ、多くの人が納得できるものでなくてはなりません。住民の自治が尊重されることが基本ですので、一方的な考えだけで進めると、結局、国民(住民)のものにならない危険があります。議論には、メリットデメリットを整理した上で正しい情報を提供して、導入から導入しないまでの選択肢を準備して議論を深めなければなりません。情報提供、提案・議論、決定のプロセスが大事です。

では、最低必要な情報とは何でしょうか。

①住民自治と国の統治機能。②今の行政システムの成果と課題。③課題に対して今のシステムの改善の可能性。③地方分権としての知事の在り方。④予算と権限と税制。⑤外国の様子。⑥メリットとデメリット。⑦国のデザインと地方のデザイン。⑧選挙制度。⑨関西広域連合と道州の違い。⑩組合型か合併型か。などなど。

道州制は、形によっては県の存在が危ぶまれます。道州の都は、経済力があり議員も多い都市になるでしょう。そうすると滋賀県は地方県になります。市町の合併で過疎化が一層進んだのはより地方の田舎の方でした。ですから、水源である近畿の水瓶「琵琶湖」を守ってくれたらよいという短絡的な考えも出てくることを心配します。関西広域連合との関係もあります。国機関の地方への権限委譲もあります。さらに、国主導の道州制でなく地方からの道州制なら是としようとの考えもあります。

いずれにしても、冷静に考えて、国民(住民)の皆さんが正しい判断ができる資料を提示する必要があります。それなしに、道州制ありきで先にニュースで流れたりすると、正しい判断が出来なくなり、この国のカタチを決める主人公がいなくなってしまう恐れが出てきます。道州制については、議論の前の資料や情報の提供の段階なのでしょう。