福島原発事故は、ブラック・スワンだったかどうか?

枚方でのエコ交通の研修の後、京都大学百年記念ホールで開かれた「再生可能エネルギーが開く未来」についての国際シンポジウムに参加しました。今年7月に、再生可能エネルギーを普及させる新しい制度として固定価格買取制度が始まり、再生可能エネルギー時代の幕開けとなります。シンポジウムでは、制度の最新動向や各地域の取り組みについて報告されました。
はじめに、佐和滋賀大学長から彦根城中堀のブラックスワンを例に、「ほとんど起こりえないが、起これば大きな影響を及ぼす事象」の状況について話をされました。大変印象的でした。
全米ミリオンセラーになった、ナシーム・ニコラス・タレブ著『ブラック・スワン』の帯タイトルは、「ありえないなんて、ありえない」(上)、「「ありえない」があったらどうする?」(下)となっています。2008年の国際金融危機の際、スワンについて議論された内容です。スワンとは白鳥のことです。
日本でも、東日本大震災で福島原発事故を経験しましたが、その時、国や原子力関連企業や専門家の人たちは、「想定外のことが起きた」と言いました。専門家が太鼓判を押して「絶対安全だ」と言ってきた原発にブラック・スワン?(黒鳥)がいたということになります。国民の多くは、原発廃棄物でさえどう処理していいか分からないから各原発に貯蔵されているということもこの事故を通して初めて知りました。その程度で原発が動いていたの?と首を傾げたくなります。話は続きます。「福島原発事故は、タブレが08年国際金融危機について言ったのと同じく、「少なくともブラックスワンではなかった。あれはブラックスワンという事象についての無知、そして無視の上に築かれたシステムの脆さが現れただけである。」???。ブラックスワンではなかったとも言えます。しかし、少し他人事のようにも聞こえます。「無知だから責任ありません」か「無知による加害者責任がある」どうなんでしょうか。やはり福島原発をしっかり検証しておかなければならないようです。
しかし、電力不足はなんとか急場をしのがなければなりません。
「再生可能エネルギーが開く未来」に向けて、日本の挑戦はこれからが始まりです。